これは私が小学５年生の時の話です。
平日の昼過ぎ、いつもより早く学校が終わった私は、習っていたスイミングスクールの水泳大会に向けて自主トレをしようと、一人で近所の市民プールに向かいました。
田舎ということもあり、女子更衣室はガラガラ。
私は30個ばかり連なっているコインロッカーの、一番左端の真ん中を選び（ここは前から鍵が壊れていて、無料で使えたのでした）、服を脱ぐ前に腰まで伸ばしていた髪が水泳キャップに入りやすいよう、苦労しながら頭の後ろで小さくまとめていました。
それに時間を取られているうち、更衣室に新しいお客さんが入室。
チラッと振り向くと、保護者さんと、小学校2年生くらいの男の子です。
（あー男の子かぁ…結構大きいじゃん…）と思いはしましたが、まあいいやとあまり気にせず水着に着替えることに。
すると男の子は、ほかに開いているロッカーが沢山あったにも関わらず、何故か保護者さんから離れて、私の真横のロッカーを使い始めました。
この時点でちょっと変だなぁ、と感じつつも、私も３つ下に同じくらいの弟がおり、小さい子って時々変なこだわりあるもんな、とスルー。
その日は学校の授業でも水泳があり、ラップタオルを使ってしまって体を隠すものがなかったので、服を着た状態のままもぞもぞ下着を外していると、その子がじーっと私の方を見ていることに気が付きました。
目を合わせるとぱっと一瞬だけ反らしますが、しばらくするとまたこちらに向き直ってジロジロ体を見てきます。
当時の私のスタイルは、身長155cm、体重は40kgちょっと。
３年生の終わり頃から膨らみ始めた胸はかなりの大きさになっており、
友達の間でも大きいとからかわれていました。
それなのに、まだ下の方は産毛すらないツルツルで、そのアンバランスな感じを自分としてはとても恥ずかしく思っていました。
キャミソールだけでＴシャツを着ると透けてしまうし、飛んだり跳ねたりすると乳首が服に擦れて痛かったためスポブラをしており、それを頑張って足の方から引き抜いてロッカーに入れると、珍しそうに覗き込んでくる男の子。
これには小さい子ながら流石に気持ち悪さを感じ、荷物を持って更衣室に２個だけある、カーテンで仕切られた簡易的な個室に移動しました。
するとすぐに「僕もカーテンのところで着替えた～い」という会話が。
当然開いている隣の個室に入るのかと思いきや、男の子はいきなり私のいる方のカーテンをフルオープン！
急いで着替えてしまおうと、一気に服を脱いでいたばかりに、全裸の状態を正面からバッチリ見られてしまいました。
この個室はカーテンが短く（そして妙に薄く）、膝から下が見えているタイプなので、こっちに人が入っているのは分かっていたはずなのに……
ニヤニヤする男の子に、気付いていないのか叱りもしない保護者さん。
「キャー！」なんて悲鳴は驚きすぎると実際には出ないもので、私は「え、えっ？いや…」とよく分からない言葉を発しつつ、また開けられてしまうような気がして、しばらくカーテンの端を手で押さえていました。
とはいっても、いつまでもこの中に全裸でいるわけにはいかず、仕方なく後ろを向いて水着にチェンジ。
スクール水着よりもピチっとした競泳水着を身に着け、脇やお尻周りの食い込みを調整して、水泳キャップとゴーグルを装着します。
これでよし、と気を取り直し、荷物を持って振り返ると、先程の男の子が細く開いたカーテンの隙間に顔をくっつけ、じっと私を覗いていました……
「ちょっと…！」とカーテンを開けると、保護者さんはもう更衣室を出ており、男の子も走ってプールの方へ逃走。
個人的には裸を見られたことより、股の食い込みを直すというみっともない動作を見られていたことの方がショックで、水に入ってからも何となく練習に集中できない状態でした。
結局、閉館までのつもりだったのをほんの1時間ばかり泳いでプールから上がると、先程の親子連れが同じタイミングで更衣室に入ってきたので、狭いトイレの中で鍵を掛けて着替えました。
あれは絶対わざと覗きに来ていたのだと思います。
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